ゴーラ三大公国のなかで最も歴史が古い、年老いた国家。土地は肥沃で気候も穏やかだが住民は新奇な事に関心がなく無気力で保守的であった。
2000年ほど前に、ゴーラ帝国の実力者として、当時の皇帝を傀儡と化したユラニア大公により、アルセイスを首都として建国された。その後、帝国支配の野望を強めるユラニアに対抗すべく建国された、親皇帝派の大公国クムと対立しつつ、二大公国体制を維持ししていくこととなった。しかし、長い歴史を重ねるうちに、国からは次第に活気が失われ、退廃的な文化が支配的となると同時に、国力が衰退していった。
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ユラニア大公家を中心とする退廃ぶりは、〈闇の司祭〉グラチウスの狙うところとなり、グラチウスの影の支配を受けて、第一次ケイロニア―ユラニア戦役をおこすこととなった。アルセイスまで遠征してきたグインによって戦役には敗れたものの、グラチウスの支配からはひとまず解放された。しかし、ケイロニア皇女シルヴィアの誘拐に端を発する第二次ケイロニア―ユラニア戦役に再び敗れたのち、紅玉宮を舞台として起こったクーデター、続くゴーラ内乱を経て、大公家の一族をはじめとする国の重臣はことごとく命を落とし、ユラニアは滅亡した。
その後、その版図は、サウル皇帝の亡霊による啓示を受けたとしてゴーラ王を宣言したイシュトヴァーンによって引き継がれ、新たにゴーラ王国となった。
クム
ゴーラ三大公国のなかでは南に位置し、キタイからの移民によって持ち込まれた東方独特の風俗をいまも伝える、中原にあっては人種的にも文化的にも特殊な国。首都はルーアン。
ゴーラが大帝国だった時代に移住してきたキタイの移民が中心となり、ユラニア大公国の成立から数百年後、帝国支配の野望を強めるユラニアに対抗する形で建国された。土地は肥沃で文化も発展しており、住民は快楽主義で知られ、また商人の国キタイの流れを汲むものとして、抜け目のない商売上手でも知られる。オロイ湖などの湖沼や河川が国土の多くの部分を占めており、運河も整備され水上交通が発達している。国内第二の都市であるタイスは遊郭や賭博、闘技などが盛んであり、「快楽の都」として名高い。
モンゴール
中原で最も歴史が浅いゴーラ三大公国の新興国。首都はトーラスであり、ここに人口のかなりの部分が集中している。
ゴーラ皇帝サウルの騎士長であったヴラド・モンゴールが、その後功績を認められて伯爵から大公となり、数十年に建国した。カナン時代から不毛で知られた、ケス河南西の森林地帯を開拓して国土としているため、土地はお世辞にも肥沃であるとはいえず、文化的にも遅れているとされる。気候も変化が激しく、住むにはなかなか適さない土地ではあるが、その気候が逆に幸いして、中原各地で嗜好品として愛好されるヴァシャ果の名産地となった。
自ら開拓して作り上げた国であることから、国民の愛国心は非常に強く、尚武の気性でも知られ、軍隊も強かった。が、モンゴール軍によるパロへの奇襲をきっかけとした黒竜戦役に最終的に敗れて滅亡し、その後一時は復活したものの、ゴーラ王となったイシュトヴァーンのクーデターによって再び滅亡することとなった。